1995年春、設立入会呼びかけ文より

 いま地球上には、約6億台のクルマがあふれています。それから排出される排気ガスには、一酸化炭素・炭化水素・チッソ酸化物など、多くの有害な物質が含まれています。またクルマによる事故で、日本だけでも年間87万人の人が負傷し、約1万5000人(厚生省統計)もの人が亡くなっています。

 その他、クルマは騒音公害や振動公害などを生みだし、人びとが快適に生活することすらままならなくなっています。マイカーの普及によって公共交通は衰退し、農村部の過疎化と老人の孤独化に拍車がかかっていることも深刻な問題です。

 クルマは私たちの生活を便利にし、経済発展のために大きな役割をはたしてきました。しかし、これらの豊かさも多くの人命をはじめ、自然環境や社会環境の犠牲のうえに成り立っているとすれば、今一度このことを問い直してみる必要があるのではないでしょうか。

(1995年春、設立入会呼びかけ文より)