みんなの党からの回答

 交通基本法については、制定のための議論が活発に行われており、院内集会にも党所属議員が参加して、内容を検討している。安全・生命・健康の保持が最優先なのは当然であり、歩行者や交通弱者に配慮するものでなくてはならず、どのような人にも移動の権利を保障するものとなるよう進めるべきである。
 交通事故防止に関しては、地域により道路環境も違うため、一概に速度規制を変えるのは難しく、予算の制約がある中でハード的整備を義務づけることも難しい。しかし、交通事故防止は非常に重要であり、高速バス事故をはじめ、重大な事故が相次いでいるため、できる限り、助成制度を含め、ハード的整備をすすめていくよう検討すべきであり、制限速度も地域や場所によってきめ細かく再検討できるようにするべきだろう。
 歩道環境・自転車走行環境の改善も、できる限り確保していくことが必要だが、トラック運送により全ての生活に必要な流通物資が末端まで配送されている現状から考えて、駐車停車の禁止を決めることは困難であり、自転車道の整備も地域ごとに整備を決めてやっていくことが先決で、全国一律に国が進めるよりも、権限や財源を地方に委譲し、地域主権でやっていく必要があると考える。
 PM2.5については以前から課題になっており、大気中の環境基準としてはあるものの、排出基準としてはない状態であり、発生源の割合を分析したうえで、数年以内に抜本的対策がなされるよう検討しており、予算措置も含めてその動きを後押ししていきたいと考えている。
 公共交通については、交通基本法策定に積極的に関わり、LRT導入なども含め、地域ごとに適切な交通環境を整備するべく、地域に交通施策の権限を移し規制緩和を実施することで、地域の意思決定により迅速に施策が実行され、公共交通が事業として成り立つよう改革を行いたい。
 道路建設もトンネル事故により議論が活発になっていることも踏まえ、既存の施設の維持管理にきちんとコストをかけ、仮に新設する場合でも、建設だけではなく、維持管理まで含めたコスト計算と予算の配分をできる仕組みにすべできある。
 自動車税制に関しては、多重に課税されており、消費増税ともあいまって、すでに重税となっており、裾野の広い自動車産業が世界有数な規模である日本にとって、経済成長阻害にならないようにする必要もある。自動車重量税の廃止が検討されているが、これは自動車による健康被害の救済のために使われるものであり、総合的な公害対策の中で再検討されるべきものだと考える。
 いずれにしても、ご提案のご趣旨については、よく理解しており、ご提案を踏まえて、国政に活かしてまいりたい。


「クルマ社会を問い直す会」